明治、大正、昭和時代初期の政治家であり、第20代内閣総理大臣として有名な高橋是清。
同時に二・二六事件で反乱軍の青年将校らに撃たれ、命を落とした大蔵大臣としても歴史の1ページに残されています。
この高橋是清の赤坂での住まいが、文化的価値の高い歴史的建造物として小金井市にある「江戸東京たてもの園」の中に復元されています。


一つの特徴は格子のガラス障子。当時ガラスは一枚一枚手作りの高級なものでしたが、建物を覆うように贅沢に使われています。今ではところどころ波打っていますが、ガラスに彫られた彫刻が外の光を受けて、歴史を感じる美しい模様を見せています。


二階は書斎と寝室として使われていました。松竹梅の彫刻がされた美しい欄間が目を引きます。二・二六事件の現場になった二階の間に座っていると、歴史の重みをずっしりと感じることができます。
江戸東京たてもの園には、高橋是清邸以外にも建築家として有名な前川國男邸や、ドイツ人建築家ゲオルダ・デ・ラランデにより大規模に増築された三階建ての洋風建築などたくさんの復元された建築物を見ることができます。
これからの紅葉の季節、休日に黄色く色づく小金井公園を散策しながら、歴史観豊かな建築物に親しんでみるのも良いのではないでしょうか。